チケットのご予約は、「お名前」「枚数」「公演日」を明記の上、suzume19@live.jp までメールをお願い致します。

またその他お問い合わせもこちらのアドレスにメールを宜しくお願い致します。

MySpace Japan

ファンデーション

 

別れを告げるまで 弾けないでファンデーション

素肌を見せる関係でないことを

はだかのまま シーツの端を掴みながら確かめ合うのは

これから来る不在に耐えるより つらい

 

わたし あなたの 寝顔を 見た ことが ない

 

泣きはらした目を冷やすため投げつける言葉

意味がないの 噛み合ってないの

嘲りさえ返らないこの関係を

終わらせたいの おしまいなの?

 

ひとごみに紛れる後姿を いつまでも解ってしまう

どうしていつまでも距離をつめられない?

 

泣きはらした目を冷やすため投げつける言葉

意味がないの 噛み合ってないの

嘲りさえ返らないこの関係を

終わらせたの おしまいなの

 

背中見送るまでかけなおさないでいた

矯正視力を

 

 

 

 

 

 

 

キャラメル

 

コートの釦がキャラメルに似ている

だがそれよりも甘い時間を約束するような濡れた目の縁

想像するのよ シャツを脱ぐ背中 バックルに映るわたし

 

わたしの目が水色に薄まるまで 泣くのを許して

ずっと終わらないふたりだけの秘密を

目交いの上で紡いで

 

存在さえ知らなかった チャンネルの曲が身体にちょうどいい

気だるい浴槽に沈めて美しくなる

 

これがほんとうのからだ

 

君の指にわたしが住まう前に手を放して

名作の一節のように 語られるのは 耐えがたい!

 

わたしの目が水色に薄まるまで 泣くのを許して

ずっと終わらないふたりだけの秘密を

目交いの上で紡いで

 

指を通して溶けだしたわたしは

君に住まう小さな恋人

忘れないでね 忘れないでね

愛し合っていたこと

 

 

 

 

 

 

ベルカは吠えない

 

何も言わなくていい

ただ目で好きだと言って

それだけで生きていける

 

例えば一緒にいても似すぎてる

欠けているところが同じで

お互いに埋められない

 

横目にあなたを捉えて瞬きで伝える私の言葉

伝わらないのはわかってるけど

それでも 愛している

 

教えてくれなくていい

あなたのこころの裡

同じこと考えていると思わせて

 

口に出すのと目で叫ぶのと

どちらが罪深いのか

同じ気持ちだという夢を見て

覚めて醒めない私の想い

 

横目にあなたを捉えて瞬きで伝える私の言葉

伝わらないのはわかってるけど

それでも 愛している

 

 

 

 

 

悲しみの原点

 

手繰って手繰って引き寄せてたどり着いたここが

悲しみの原点 体液の味 塩辛い

 

ここでのつまづきを やり直さなくては おとなになれない

 

あのとき泣いてた小さなあたし

このからだに根付け 健やかに育て!

悲しみの原点 はじまりのはじまり

声をあげて泣け!

 

走って走って追いかけてたどり着いたここが

幸せの終点 戻れないところ

喰いしばった奥歯が割れて

いやいや付けたブリッジ

誰も誰も褒めてはくれない

 

他人の道具になりたくないよ

あたしは楽しいときだけ笑っていたいのに

好意を盾にして 笑顔を強いる

 

これ以上生まれたことを恥じてはいたくないよ

あたしはあたしを幸せにするために

何度でも生まれて

 

あのとき泣いてた小さなあたし

このからだに根付け 健やかに育て!

悲しみの原点 はじまりのはじまり

声をあげて

 

夜毎に泣く悲しみの海に還る

あたしはまた生まれなおす

寄せては返す

繰り返しのなか

あたしはただのあたしになっていく

 

 

 

 

 

絶望譚

 

ひさいで塞がる傷口じゃない

それなのに内側を乱して 優しいふりをするのはやめて

 

何もしないで抱かれたい 優しく髪を梳かれたい

それなのに 抱きしめてふふませる

もう 疲れちゃったなあ

 

何度も同じことですり減らすなら最初が間違ってるんだろう

構造上の問題にわたしひとりで立ち向かうには

 

拉がれたって諦められない

何の了承もなく変化したからだに

過剰で無責任な期待をそそぎこまないで

 

爪が割れても 血を流しても 押し続けるのかスイッチを

もともと無いのだ それなのに

 

何度も同じことですり減らすなら最初が間違ってるんだろう

構造上の問題にわたしひとりで立ち向かうには

 

さして変わらぬ年嵩の嬰児を抱いて眠る夜

本当に変えられないなら

わたしはここでわたしをやめるよ

 

 

 

 

 

fantastic

 

フロアの氷が溶けるまで傍にいてくれるだけでいい

だって満たされないのは解っているから

 

ファンタスティックな夜を止めて

踊りたくないの今夜は

 

左足踏み込みたくなるような

今夜はブギーバック

知らないあの子の横顔に

君を重ねてみてるの

 

ファンタスティックな夜を止めて

踊りたくないの今夜は

 

上手くこなせるよ 慣れてるから

何度も何度も

傷つけ合った傷口は

まだ 乾かない

 

ファンタスティックな夜を止めて

踊りたくないの今夜は

 

あの子のことは傷つけない

君で学んだから

 

 

 

 

 

 

八月の雨

 

八月の雨 鎖骨に水が溜まる

雨の鎌倉 走り込んだ軒先で

爪先立ちで 舐めた

 

いいか、と目で問われて

いいよ、と目で応えた

 

満たしてよ 乾いた身体を

降り注ぐ雫と それから?

こんなにも こんなにも幸せだと

どうしたら どうしたら伝えられるだろう

 

駆け抜ける風 光が射し込む小道

雨は上がった それでも身体の中の

唸る水音は止まない

 

少しだけ泣きたいような

少しだけ悲しいような

はじめてのきもちがつないだ手で

伝わりますように

 

溶かしてよ ふたりの体を

もうひとりでは生きていけない

あなたは私から産まれ直して

私はあなたで世界を知って

「それから」はいらない

 

広げて広げてあなたの手で

包んで包んで私の手で

 

 

 

 

 

 

 

悲しみは自分勝手

 

まんまと 逃げおおせても

ほっと胸を撫で下ろしても

畳み掛けるように 次の一手を打ち込んでくる

もう 逃げ場はないな

 

誰にだって訪れることで 悲しくはない

でも私のこと 忘れちゃうんだ

私のこと わすれちゃうんだ

 

汚れたハンカチで 涙を拭われることも

優しい手で背中をさすられることも

もうないんだ

もうないんだ

 

あなたが居なくなること以上に

私を忘れてしまうことのほうが

何より怖い

自分が誰なのか解らなくなる

 

別れを告げる暇は

いくらだっていくらだって請いたい!

でも もうさよなら

 

誰にだって訪れることで 悲しくはない

でも私のこと 忘れちゃうんだ

私のこと わすれちゃうんだ

 

汚れたハンカチで 涙を拭われることも

優しい手で背中をさすられることも

もうないんだ

もうないんだ

 

私はどれだけ覚えていられるんだろう

私はどれだけ忘れずにいられるんだろう

私はどれだけ明日に繋げ」られるんだろう

 

 

 

 

 

 

理系の彼

 

頭でっかちで可愛いあの人に 教えたいことはひとつだけ

鍵と鍵穴合わせて ひとつ扉開いたところで

 

 

幸せになれない

 

 

あなたからちょっとの分別を 

私からいくつかの花の名前を

あなたは世界の先端を 

私は六十年の苦痛の入口を持ちながら生まれてきた

 

甘ったるくて切ない映画の主人公たちに

病名をつけて解説するあなたが

大好きで 大好きで いたのに

ちょっと前まで

 

皮肉ることは見なくても解る

三年も一緒にいたから

 

あなたからちょっとの分別を 

私からいくつかの花の名前を

あなたは世界の先端を 

私は六十年の苦痛の入口を持ちながら生まれてきた

 

甘ったるくて切ない映画の主人公たちに

病名をつけて解説するあなたが

大好きで 大好きで いたのに

もうさよなら

 

 

 

 

 

 

 

 

Rorschach

 

鎖骨に顔を埋めて話す 

その振動が泣いているような気がして

しなければ良かったロールシャッハの話

でも止められなくて

 

口をついて出る話は

いつもどこかで繋がってしまって

悲しい思いをさせてしまってごめんね

 

シーレの絵に囲まれて眠る夜

口ずさむ傍にいない二人称

朝になればまた好きになれるだから

夜だけは私のものでいさせて

 

目を覚まさないで

君も七月の記憶も

言葉奪うために指を噛ませる

ずるいずるい 睦み言

 

機械的な動作の中から体温が流れてくる

形而下で近づいて

形而上で離れてく

身体の中心が溶け出す

でもこころの中心は凍ったままで

 

シーレの絵に囲まれて眠る夜

口ずさむ傍にいない二人称

朝になればまた好きになれるだから

夜だけは私のものでいさせて

 

 

 

 

 

 

 

 

手負いの獣

 

頬に手を置いたそのときの瞳が

忘れられないよ 忘れられないよ

手負いの獣より疑り深くて

あまりにも飢えた心が透ける

食べられてしまってもいい

 

痛い思いをするならあなたがいいな

優しさなんて身体に残らないから

焼け付く痛みと忘れられない悲しみで

縛ってくれたらと

 

私の頬を打ったその時の瞳が

忘れられないよ 忘れられないよ

体温が上がるのをこの耳で聴いた

ここまで吹き飛ぶつもりじゃなかった

痛いのは私じゃない

痛いのはあなたのこころ

 

愛され方も愛し方も知らないから

昼の諍いと夜の甘さで紡ぐ

ふたりの いびつな生活

 

痛い思いをするならあなたがいいな

優しさなんて身体に残らないから

焼け付く痛みと忘れられない悲しみで

縛ってくれたらと

  初恋ラプソディ

 

傘越しに見渡した世界 さながら無菌室

手厚く守られているような 避けられているような

記憶がほとびてしまうよ 温度と湿度のせいで

雨に混じる涙で滲むウォータープルーフ

 

裾を蹴って追いかけた背中を今も私は見間違えないだろう

すれ違った香りで気づく 細胞が覚えている

 

首筋をたどった指が さまよう夜の閨

香りで手繰る手の位置 不安だから繋がっていたいの

灯りを小さくしないで 光を閉ざしたなかで

思い描くのは可愛いあの子でしょう

 

裾を蹴って追いかけたわけはうらみごとぶつけ 泣きたいわけじゃない

もう一度だけその香りで息をしたいの

裾を蹴って追いかけた背中を今も私は見間違えないだろう

すれ違った香りで気づく 細胞が焦がれている

 

 

 

秘密

 

誰かの死をもってしか幕が引けない物語に

ひとりの少女が名乗りをあげた

アデュー素晴らしき世界 ひとがいなければもっと美しい

さよなら優しかった手負いの獣

その傷はずっと前から癒えてる

 

お気に入りのワンピースも見つかったし

子猫は全部貰われていった

昨日の晩入れ替えたインクは

ひと晩で使い切れるから

 

何から話そうか 私の秘密を

どこから話そうか 君の瞳が悲しみで濁る

私の秘密を

 

私の死をもってしか幕は閉じない

物語がらせんで紡がれてしまう

もう いい 狂った血はここで終わる

そのために払う犠牲は少ない

 

過ちを犯す可能性を君といるときほのかに感じ

気がかりが無くなった今決心が鈍る前に

行動を

 

11月を怖がる私の瞳は

なぜだか切なく

視界が滲み 唇が動く

幸せって何なの?

 

左手で擦れた 私の告白は

言葉にするには重すぎて

書き残すには軽すぎて

伝わるかな伝わるかな

私の秘密が

 

何から話そうか 私の秘密を

どこから話そうか 君の瞳が悲しみで濁る

私の秘密を

 

 

 

孤独な鳥 

 

裸眼で見る 中原街道

滲む街灯 揺らぐ車の影

 

 

どこまでもいけそうな気がする

 

止められないのきっと

止める人も居ないし

身ひとつで 私は生きる

 

生まれた時から一人ぼっちで

誰だって同じラインに立ってる

どうして私だけ 窓から漏れる光 羨ましいんだろう

 

変わる信号 進む身体

飛び交う会話 刺さるひとの声

 

 

誰よりも孤独な気がする

誰よりも劣っている

 

どこまでも行けるはずなのに

留まりたい

順番はもう回ってこないけど

愛されたい

 

頼れる人はいない 振り返れば深い闇

踏み出しても暗い闇

 

ひとはさみし

 

生まれた時から一人ぼっちで

誰だって同じラインに立ってる

どうして私だけ 孤独の淵に立ってるような気持ち

 

生まれた時から一人ぼっちなら

どうやって知っていけばいいの

一度だけ一度だけ

手放しで愛されてみたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖歌

銀杏 美しく もゆる 黄昏時

私は いつも どこか 還りたくなる

 

「夢に楽土求めたり」

 

洩らした息かき消す子どもの笑い声

あの中にあの子は居ないかな

居たならば強く強く抱きしめたい

 

芍薬の花 固め 口に含み

いつ 来るとも 知らない 次を 待っている

 

夢で現の続きを紡いでいる

 

遊園地に行かれなかったあの子は

今でもそこに置いてきぼり

泣きやめずに 今も他人の背中

追いかけている

 

洩らした息かき消す子どもの笑い声

あの中にあの子は居ないかな

居たならば強く強く抱きしめたい

 

洩らした息かき消す子どもの笑い声

次に産まれてくる時には

私のいのちをあげる

 

わたしの いのちを あげる